■ 共通テストの国語・数学の記述式問題導入見送りへ【瑞穂市の学習塾 MUGEN学院 穂積駅前教室】
こんにちは!MUGEN学院穂積駅前教室の木村です。
大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題について、文部科学省が導入を見送る方向で最終調整に入ったことが12日分かりました。ノーベル賞授賞式でスウェーデンに出張中の萩生田光一文科相が13日に帰国した後に最終決定し、来週前半には発表されるとのことです。今回の大学入試改革の目玉だった英語民間検定試験に続き、記述式問題も見送りということになれば、今回の大学入試共通テストについて、その根幹が大きく揺らぐことになりそうです。
記述式問題については、民間業者による採点ミスの可能性や自己採点の難しさなどの様々な課題が、以前からいろいろと指摘されておりました。文部科学省では大学入試センターや業者側と連携し、採点の質を確保する仕組みづくりや、自己採点の精度を高める改善を進めていましたが、約50万人と予想される答案を、短期間でミスなく採点するための抜本的解決が難しいことに加え、自己採点の改善策についても、受験生の不安を払拭するのは困難と判断した模様です。
もともとセンター入試は、全国の受験生が同じ問題に同時に受験するため、一部の大学を除き各大学では、入学に必要な学力があるかどうかを測るためにこの試験を採用しています。国公立大学や多くの私立大学ではこのセンター試験の結果で合否を判断します。それぞれの大学でも「二次試験」という形で入学試験は行っていますが、センター試験の結果と合わせた結果で合否を決める大学がほとんどです。
今までも各大学の二次試験の中で記述問題等が扱われ、各大学の先生によって採点されていましたので、あえて大学入学共通テストの中で記述問題をやる必要はないのではと、私は以前から思っていました。実際自分も学校現場で記述問題の採点等を行っていましたが、記述問題は判断が難しい場合もあり、明確な基準がない限り、採点者による得点の誤差も出てしまう可能性があります。ましてや大学の合否を決める大事なテスト採点に、業者やアルバイトの採点を通すのは、採点ミスの危険性を大きくすることにつながり、公平・公正性も損なわれる危険性があると思います。また受験者自身が自己採点をするのも困難になるでしょう。
前回の英語民間検定試験のブログの時にも言いましたが、こういう政府の思いつきに端を発した大学入試改革、その被害を一番こうむるのは、他の誰でもない受検者なのです。国自身がもっと受検者ファーストで試験のことを考えていくべきです。試験直前になった今に至るまで受検者たちを振り回してしまっている今回のこの状況に対し、政府や文科省は心から受検者に対して謝意を示し、しっかりとその政治責任を取る必要があると思います。受験生たちに対して国がどのようにコメントするか、そして今後大学入試自体がどう変化していくか、注視していきたいと思います。