中学生でも解ける 明治大 数学 【 大垣市 河村学習塾 】
こんにちは。河村学習塾波須校の園部です。今日は明治大学の 数学 の入試問題から。
高校で習う公式を使っていますが、式自体は難しくないため、中学生でも解けるような問題です。
■ 問題
(1) 50以下の自然数で、2の倍数か5の倍数であるものの個数を求めよ。
(2) 50以下の自然数で、2の倍数か5の倍数であるものの総和を求めよ。
(3) 1/50から50/50までの50個の分数のうち、既約分数の総和を求めよ。
※既約分数とは、これ以上約分できない分数のこと。
■ 解答
(1)
1から50のうち2の倍数の個数は、50÷2=25より25個です。
1から50のうち5の倍数の個数は、50÷5=10より10個です。
ここで、答えは35とはならないことに注意しましょう。
上でカウントした35個の数の中には、2の倍数と5の倍数とで2回重複してカウントされたものが混ざっています。
2の倍数と5の倍数で両方登場する数は最小公倍数の10の倍数の数なので、50÷10=5個あります。よって35-5=30個
(2)
1+2+3+⋯+(n-2)+(n-1)+n=n(n+1)/2を利用してみましょう。
2の倍数の総和は、
2+4+6+…+48+50=2(1+2+3+…+24+25)=2×(25×26)/2=650
5の倍数の総和は、
5+10+15+…+45+50=5(1+2+3+…+10)=5×(10×11)/2=275
この2つを足すのみだと、先ほどと同様、10の倍数が2回足されてしまうので、
10の倍数の総和は、
10+20+30+40+50=150
よって650+275-150=775
(3)
1/50,2/50,,…,50/50
既約分数と約分できる分数にどんな違いがあるかを考えます。
約分できる分数は、分母が50=2×5×5であることから、分子が2か5で割り切れる、つまり分子が2の倍数か5の倍数であることが分かります。逆に、既約分数は分子が2でも5でも割り切れないもの、と言えます。そこで、
(1/50から50/50全ての総和)-(約分できる分数の総和)=(既約分数の総和)
で求めます。1/50から50/50全ての総和は、
1/50+2/50+3/50+⋯+50/50=(1+2+3+⋯+50)/50=(50×51/2)/50=1275/50=51/2
約分できる分数の総和は、分子の合計は(2)がそのまま使えるので、
775/50=31/2
よって、答えは51/2−31/2=10
補足1
x=1+2+3+……(n-2)+(n-1)+n…①と置いた時、右辺の項を逆順にすると
x=n+(n-1)+(n-2)+……+3+2+1となりますね。
この2式を足すと左辺は2x、右辺は各項がn+1となり、それがn個あるという式になります。
つまり2x=(n+1)×nとなり、両辺を2で割るとx=n(n+1)/2…②という式が得られます。
よって①②より、1+2+3+……(n-2)+(n-1)+n=n(n+1)/2となります。
補足2
「1からnのうちaかbで割り切れる数の個数」と言われたら、
(aで割れる個数)+(bで割れる個数)-(abの最小公倍数で割れる個数)
で求めるのが普通です。ぜひ覚えましょう。
例 1から100までの中で12でも18でも割り切れない数の個数を求めよ。
12か18で割り切れる個数を求めて、それを100から引いて求めます。
12で割り切れる個数は、100÷12=8…4より8個
18で割り切れる個数は、100÷18=5…10より5個
余分に数えている分は、12と18の最小公倍数の36の倍数だから、
100÷36=2…28より 2個
以上から、12か18で割り切れる個数は8+5-2=11個
よって答えは100-11=89個