教室長ブログ

中学生でも解ける 北海道大 数学 【 大垣市 河村学習塾 】

こんにちは。河村学習塾波須校の園部です。昨日に続き、今日も北海道大学の 数学 の入試問題から。

正の整数の組(a,b,c)が次の式を満たすとする。
a²+b²=c²
(1) a,b,cのうち少なくとも1つは偶数であることを示せ。
(2) a,b,cのうち素数ではないものがあることを示せ。

■ 解答

(1) 全て奇数であることを仮定します。a,bが奇数の時、左辺は奇数+奇数なので右辺は偶数でなければならないが、cが奇数なのでc2も奇数なので矛盾。
よって少なくとも1つは偶数。

(2) 全てが素数であると仮定します。(1)より少なくとも1つが偶数であるが、偶数の素数は2しかないため、abcのうち1つは2、残り2つは奇素数であるしかない。また、2が一番小さい素数なので、c=2はありえないのでa=2としてよい。
4+b²=c²
4=c²-b²=(c+b)(c-b)
bとcが同じ素数ではなく、b<cでc+b>c-b>0であり、積が4であるから c+b=4 c-b=1 これを解くとb=1.5,c=2.5

これはb,cが奇素数であることと矛盾。よって全て素数であることはないので、素数でないものがある。

■ 解説

背理法は中学校では、数学の教科書に一応載っています。√2が無理数であることの証明として背理法が使われています。証明したい事柄を否定していくと矛盾が生じる。よって証明したい事柄は正しい。という論法です。
a²+b²=c²
この式は中学3年で習います。直角三角形の3辺の長さが満たす関係です。
この関係を満たす自然数の組をピタゴラス数といいます。
(1) 少なくとも1つは偶数であることを示すには、その余事象を考え、「全て奇数であることがありえない」といえばよいのです。
(2) (1)と同様に、「全て素数であることがありえない」といえばよいでしょう。

中学校で習う内容をフル活用すると、大学入試にもつながっていく事がお分かりいただけたのではないでしょうか。

√の話は、1学期期末テストで平方根が出題された中3生には記憶に新しいことと思い、こんな問題を取り上げてみました。高校生には是非解けてほしい問題なので、解答・解説を改めて読んでみてほしいと思います。